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総長懇談会

総長懇談会とは

懇話会の主な活動の一つに、京都大学総長との懇談の場の設定と定例化が挙げられます。

歴史的な経緯としては、1981年11月に懇話会設立総会にて選出された役員6名と当時の沢田 敏男総長との会見が実現しています。初の総長懇談会の趣旨は、懇話会発足にあたってのごあいさつと懇話会の設立の目的の説明をしたいという申し入れが受け入れられて実現しました。詳細は「京都大学 男女共同参画への挑戦」京都大学女性研究者支援センター 編 をご覧ください。

過去の総長懇談会記録の一例です。 総長と女性教員懇話会の懇談会

京都大学男女共同参画アクションプランにも懇話会と総長との懇談について記載されています。 アクション・プランに向けて  

旧懇話会ホームページ 懇話会ニュースレター バックナンバー にも総長懇談会のご報告がありますのでご覧ください。

1 件のコメント:

  1. 2010年度発行ニュースレター http://kyotoufemale.web.fc2.com/2010NL.pdf より一部を抜粋してご紹介です。
     
    2009 年度「松本総長と話そう!」2010年3月30日(火)11時30分~12時10分

    出席者
    【総長側】松本紘総長、塩田浩平理事、大西珠枝理事、稲葉カヨ理事補・女性研究者支援センター長、岸本佳典理事補
    【女性教員懇話会】山田文、速水洋子、山根久代、今田絵里香、登谷美穂子(女性研究者支援センター)

    1 女性教員採用について
    懇話会:ここ数年、女性研究者の増加のためにいろいろな事業を企画推進室・支援センター中心に進めていただいているのは我々にとっても喜ばしいことで、大学の意識を外に見せつつ、中で高めていく上でも意味あることだが、実行は難しい面もある。例えば、2009 年度に採択された女性研究者養成システム改革加速事業「京大式女性研究者養成コーディネートプラン」の採用計画において、当初挙げられた目標数値(農・工・理学系で初年度 8 人、5 年間で 72 人)に対してまだ十分な実現がされていないが、今後どのような措置を考えておられるか。

    総長:京都大学の方針として従来から特別枞を設けて女性研究者を入れるという形にしていない。これは女性教員からの要望でもある。その中でインセンテイブをどのようにつくっていくかが課題である。
    末端まで情報が行きとどいているかどうかはわからないが、シーリング率を平成 21 年度は96%とし、4%を学内のアクションプランを含む諸事業の推進に充てるなど工夫してきた。他大学ではシーリング率を 90%としたり、北大のように女性研究者を雇ったらインセンテイブを与えるなどの工夫をする大学もある(編者注 1)。採用に関する事業は、大学がポストをもっていないとできないが、京大はこれまで全くなかった。みなさんに定員に対するシーリングを我慢してもらって、重点施策としての大学の積極的な取り組みに使えるように、戦略定員としようと提案してきた。その結果、ようやく今年度は 96%とするが、23年度は 95%に戻すところまでこぎつけた。そうした状況で、新しい施策をどうするか、という問題がある。積極的に女性研究者を支援する仕組みをつくる、インセンテイブを与えられるようなポストが手元にあればできるが。

    懇話会:加速事業には、別途予算枞があるが。

    総長:予算と定員は異なる。予算があれば各部局は特定教員は雇える。競争資金の入れない分野でも、プロジェクトなどを作ってもらうなど部局の積極性のもとでできる。本部ではそうした予算はない。本学で男女共同参画を重要な柱の 1 つとして立てているが、それを追求するとしても、大切な予算を何に使っているのかという意見はある。そういう体質の大学で、部局での女性研究者採用の必要性を訴えてほしい。
    事業推進は、若手支援、将来への投資などを考慮しており、戦略定員としてなんとか 60 人の枞がとれた。そのうちの何人かは図書館機構や国際交流センター、高等教育研究開発機構等で雇っている。手持ちが尐ない中で、この 60 名の枞をどのように有効活用するのかを議論している。
    そうした中でどこまで女性研究者支援の優先度を高めるか。京都大学の中で緊急性の高いものについて役員会で取り組みたいと思っている。パイが 1 人、2 人と尐ないときにそれをうまくあてられるか、10 人であればもう尐しできる、そういう状況にあることはご理解いただきたい。

    懇話会:加速事業の達成についてはどういう方法を考えておられるか。

    総長:それはわからない。強制的にやるのでない限りできないという結論になってしまうかもしれないが、インセンテイブを与える仕組みがつくれればよいと思っている。ただ、どういうインセンテイブを与えられるかは、まだわからない。その資源次第というところだが、意思はある。

    懇話会:お金の問題だけでもまたない。

    総長:お金と人、両方である。

    懇話会:総長ご自身が浜田総長との対談(京大広報 653 号)の中で、インセンテイブはお金だけでないとおっしゃっている。

    総長:その通りであると認識する。教員は意識と能力の問題もありバランスが難しい。下手なことやると 20 年、30 年影響が出る。そうならないように良い人をさがす。部局でいい人をとっていただければ 2 人とれば、たとえば 1 人分などインセンテイブを与えるなどできるとよい。そんな余裕は大学にないが、積極的にいくつかの部局でもてる資源で配分をするなどやり方はある。22 年度から 5 年間でおおよそ 60 名の枞をいただいており、5 年後私はいないので、できることはすぐにやっていきたいと思っている。支援する気持ちは皆ある。ただ皆、自分の部局のことになると反対となる。身勝手に部局単位でものを考える。部局のことを考えると黙ってしまう。

    懇話会:女性研究者自身が皆全面的にポジティブアクションに反対しているかどうかはわからないところもある。

    総長:下手なことをやると優秀な女性に悪影響が出る。1 つ下手なことをすれば揶揄する人がいる。しかし、同等であれば女性やマイノリティをとる、ということはどこの社会でも行われており、そういう方向へ意識を変えていくことが最優先。工学・理学は女子学生そのものが尐ないので学生比率で採るとやはり尐なくなる。全国的な採用をすれば尐しは改善するが、工学系の人事は必ずしも公募になっていない。公募すればもう尐し可能性が出るだろうが、必ずしもそうではなくせいぜい人事委員会をつくってその中で探す程度のことしかやっていないので、制度上の透明性を上げてくださいということは言っている。そうすれば網にかかる対象の女性研究者が他からもあげられるだろう。

    懇話会:優秀な女性をとるというアピールをもっとみせていければ、若い女性たちがもう尐しがんばって研究者になろうという気になれる。

    総長:研究者は皆そう。研究者になる自信をもっているかと若い人に聞けばたいていはそうではない。男性も女性も自信をもっているわけではない。やれたらいいな、という希望はもっているが、私も大学で助手に無理やりさせられ、これは困ったと思ったくらい。男性女性を問わず、若い人みながチャレンジする雰囲気を発信することが大切で、それを大学として応援もしていかなくてはならない。その意味もあって、白眉プロジェクトを開始した。

    懇話会:広報の問題になるが、ホームページでは採用数などが見つけにくい。京大の意思のアピールのために、ホームページなどに分かりやすく掲載していただきたい。

    総長:ホームページの表面は限りがあるが、広報の方は苦労しつつやっている。しかし、今うかがったので工夫していきたい。気がつかないことは言っていただければ、できるだけやっていくつもりである。

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